限界効用のいい例え

目次の小見出しホイホイでまたプレジー買っちゃいましたよ。でも、650円分以上の一生使える例え話を手に入れたから後悔はしていませんよ。

メンガー、ジェボンズワルラスについて)彼らは価値を労働で測るのではなく、価値を「希少性」という主観的な尺度で捉えようとした。たとえば、砂漠に置き去りにされた大富豪が、一杯の水とダイヤモンドを交換しようとしていたとする。最初の一杯は「10個でも20個でもいい」というはず。しかし、一杯追加されるごとに満足度は低くなり、最後のいっぱいにはダイヤ一個分の価値も認めなくなる。その最後の追加分に感じる満足度を限界効用とした。
※プレジデント社「プレジデント 2009 10.5号」p35 改行任意。また一部の漢数字は算用数字に直した。

限界効用の説明というと、いつもお腹ペコペコの人にどんどん食べ物を与えていって、という例えしか知らなかったのですが、この水の例えの方が、2つの点で優れていると思いました。1つは、限界効用のマイナス化が比較的防ぎやすいということで、これが例えば先ほど今まで自分が使っていたと言っていた食べ物の例だと、お腹いっぱいでもう食べれないというときの追加の食べ物というのは、自分にとって価値がないどころか、マイナスになってしまうという懸念があるのですよ。ところがこれが水となれば、まぁ厳密にはこれ以上飲めないという状況も大いにあり得るのですが、食べ物よりはマイナスになるというイメージが、あくまでイメージですが、少ないなぁと思うんですよね。ですので、その点でまずは優れている。2つ目は、効用を価値に置き換えた点ですね。今までは効用はそのまま幸福度にしていたのですが、この例ではダイヤを対価とすることによって、より具体的に効用を示すことになったわけです。
今度から限界効用を説明するときはこれを使おう。