宇宙人に地元をアピールせよ〜プレゼンの導入〜

プレゼンにおいて導入というのは一番気にしなければいけないポイントです。



この導入次第で、聴衆がこちらに興味を持ってくれるか否かが決まります。
僕は学会発表でしばしばプレゼンをするのですが、
最初の導入が最大の勝負だと思っています。
内容はプレゼンの前に十分に精査しているはずなのですから、心配の対象ではありません。
内容に自信がないのならそもそもプレゼンしちゃイカンでしょ(笑)
なのでプレゼンにおいて心配なのは導入部分、はじめの数枚のスライドです。
さて、僕がこの導入部分で気をつけているのは、

  • 余計なことを喋らない
  • 興味を他に向けさせない

この2つです。
聴衆はプレゼンの内容については素人である場合がほとんどです。
これから何を喋るのか、何がテーマなのか、そういうことを聴衆は知りません。
彼ら迷える子羊たちをミスリードせずに自分の家に連れてくる。
これが導入における発表者の使命です。
しかしこれが難しいんだ。
ついついいらないことを喋って、不要なイラストを入れて、
子羊たちをあっちへこっちへと連れ回してしまう。
そうしているうちに、気がつくと子羊が半分に減っている、なんてことがあるのです。
ですから、導入はまっすぐ自分の家へ向かわなければいけない。



タイトルで書いている「宇宙人に地元をアピールせよ」というのは、羊飼いたるプレゼン発表者が
心に止めておくべき心構えです。
あなたは地元の観光大使です。
あなたは地球外からやってくる宇宙人の皆様を地元へ案内する役割を任されました。
宇宙人ご一行は日本はおろか地球にやってくるのも初めてです。
彼らにとっては全てが未知の世界。
さて、あなたの仕事は、着陸態勢に入る旅客機に登場しているCAさん同様、
大気圏突入を控えた宇宙船の中で乗客たる宇宙人の皆様に
到着先であるあなたの地元を案内することです。



あなたはどんな案内をしますか?



やっちゃいけないのはこんなのですね:

これから皆さんの参ります日本は、地球上の国々の中でも長い歴史を持つ国であります。
この国は四季折々の美しい風景を見ることができ、今の季節ですと、日光が丁度紅葉の見頃を迎えております。
我々がこれから降り立ちます埼玉県は日本の首都である東京と、その日光のある栃木県の間に位置しております。
これから皆さんをご案内いたします○○市は、その埼玉県の北部に位置し…



もう宇宙人さんはあなたの話なんか聞いていませんよ。