ユーザビリティについてのルール
自分の専攻でユーザビリティ評価について色々調べなきゃなので、これをブログのネタにしてしまえと考え、ここに列挙しておきます。新規性はないから大丈夫だよね?一応、出典を明記すると、樽本徹也『ユーザビリティエンジニアリング』オーム社(Nielsenの10ヒューリスティック、Shneidermanの8つの黄金律、IBMの設計の原理、ISO 9241 Part-10:対話の原則)、ヤコブ・ニールセン(篠原稔和監訳・三好かおる訳)『ユーザビリティエンジニアリング原論』トッパン(Nielsenのシステムの受容性の構成およびユーザビリティの定義)です。
Nielsenの10ヒューリスティック
- システム状態の視認性:システムは、妥当な時間内に適切なフィードバックを提供して、今、何を実行しているのかを常にユーザに知らせなくてはいけない。
- システムと実世界の調和:システムはシステム指向の言葉ではなく、ユーザになじみのある用語、フレーズ、コンセプトを用いて、ユーザの言葉で話さなければいけない。実世界の慣習に従い、自然で論理的な順番で情報を提示しなければならない。
- ユーザコントロールと自由度:ユーザはシステムの機能を間違って選んでしまうことがよくあるので、その不測の状態から別の対話を通らずに抜け出すための、明確な"非常出口"を必要とする。"取り消し(undo)"と"やり直し(redo)"を提供せよ。
- 一貫性と標準化:異なる用語、状況、行動が同じことを意味するかどうか、ユーザが疑問に関実用にすべきではない。プラットフォームの慣習に従え。
- エラーの防止:適切なエラーメッセージよりも重要なのは、まず問題の発生を防止するように慎重なデザインである。
- 記憶しなくても、見ればわかるように:オブジェクト・動作・オプションを可視化せよ。ユーザが対話のある部分から他の対話に移動する際に、情報を記憶しなければいけないようにすべきではない。システム利用のための説明は可視化するが、いつでも簡単に引き出せるようにしなければいけない。
- 柔軟性と効率性:アクセラレータ機能(初心者からは見えない)は上級ユーザの対話をスピードアップするだろう。そのようなシステムは初心者と経験者の両方の要求を満たすことができる。ユーザが頻繁に利用する動作は、独自に調整できるようにせよ。
- 美的で最小限のデザイン:対話には、関連のない情報やめったに必要としない情報を含めるべきではない。余分な情報は関連する情報と競合して、相対的に視認性を減少させる。
- ユーザによるエラー認識、診断、回復をサポートする:エラーメッセージは平易な言葉(コードは使わない)で表現し、問題を的確に指し示し、建設的な解決策を提案しなければならない。
- ヘルプとマニュアル:システムがマニュアルなしで使用できるに越したことはないが、やはりヘルプやマニュアルを提供する必要はあるだろう。そのような情報は探しやすく、ユーザの作業に焦点を当てた内容で、実行のステップを具体的に提示して、かつ簡潔にすべきである。
Shneidermanの8つの黄金律
- 一貫性を持たせる
- 頻繁に使うユーザには近道を用意する
- 有益なフィードバックを提供する
- 段階的な達成感を与える対話を実現する
- エラーの処理を簡単にさせる
- 逆操作を許す
- 主体的な制御権を与える
- 短期記憶容量の負担を少なくする
IBMの設計の原理
- 単純性:機能を追求するあまり、使いやすさを犠牲にはしません
- サポート:ユーザにシステムを制御させ、積極的に協力します
- 既知性:ユーザのこれまでの知識に基づいたものにします
- 明白性:オブジェクトとそのコントロールを視覚的で直観的なものにします
- 安心感:処理の結果を予測でき、元に戻せるようにします
- 満足感:進歩と達成が感じられるようにsます
- 可用性:常にすべてのオブジェクトを利用可能にします
- 安全性:ユーザがトラブルに遭遇しないようにします
- 柔軟性:大体の対話技術をサポートします
- 個別設定:ユーザがカスタマイズできるようにします
- 類縁性:すぐれた視覚的設計によってオブジェクトを実物のように見せます
ISO 9241 Part-10:対話の原則
- 作業に対する適合
- 自動説明
- 制御可能性
- ユーザの期待への適合
- エラー許容度
- 個別化に対する適合
- 学習に対する適合
Nielsenのシステムの受容性の構成およびユーザビリティの定義
- システムの受容性
- 社会的受容性
- 実務的受容性
- 有用性
- 実用性
- ユーザビリティ
- 学習しやすさ
- 使いやすさ(効率性)
- 記憶しやすさ
- エラーの少なさ
- 主観的満足度
- コスト
- 互換性
- 信頼性
- その他
- 有用性
- 学習しやすさ:システムは、ユーザがそれを使って作業をする始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない。
- 効率性:システムは、一度ユーザがそれについて学習すれば、後は高い生産性を上げられるよう、効率的な使用を可能にすべきである。
- 記憶しやすさ:システムは、不定期利用のユーザがしばらく使わなくても、再び使うときに覚え直さないで使えるよう、覚えやすくしなければならない。
- エラー:システムはエラー発生率を低くし、ユーザがシステム使用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない。また、致命的なエラーが起こってはいけない。
- 主観的満足度:システムは、ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できるようにしなければならない。
ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック
- 作者: 樽本徹也
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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ユーザビリティエンジニアリング原論―ユーザーのためのインタフェースデザイン (情報デザインシリーズ)
- 作者: ヤコブニールセン,Jakob Nielsen,篠原稔和,三好かおる
- 出版社/メーカー: 東京電機大学出版局
- 発売日: 2002/07/01
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