竹内郁雄氏(東京大学大学院・情報工学系研究所・創造情報専攻・教授)

「実は強烈なIT人材は生えてくる(特に育てる必要はない)」

  • この意見には賛同する。何故なのかはわからないが、私のまわりにいる人間もほどんどがこのタイプの人間である。このような人間が多い原因を考えてみると、インターネットができる環境と、ある程度のスペックのパソコンがあれば、後はほとんど何もいらないこと、インターネット上にたくさんの有益な情報があり、これを無償で得ることができること、さらに自分と同様の立場の人間がインターネット上に無数にいて、相互に簡単に情報交換ができ、常に切磋琢磨できることなどがあげられる。
  • そもそも私自身も、人並み以上にはITに詳しいつもりでいるし、例えばプログラム言語を例に取ってみても、ほとんど独習で会得したC++VBAの方が、大学の授業で扱ったRubyJavaよりも定着している。自分がC++VBAを学んでいるとき(というか実際は遊んでいるときか、仕事上で必要になったとき)というのは、たいていインターネットで検索して調べている場合が多い。人に会って質問したこともあるが、インタネット上の掲示板で質問したことの方がずっと多い。やはり自分の経験から言っても、ITというのは興味さえあればどんどんレベルを上げていくことができるので、そのような人間が適切な環境下にさえいれば、あっという間に、それこそ年齢などに関係なく、飛びぬけて成長するのであろう。

「人材を見つけるにはタレこみを活用しよう」

  • 前述の通り、IT人材は一人で成長することが多く、またインターネットの匿名性により、人と人のつながりが形成されにくいという現状がある。そのため、このような優れたIT人材を発見するためには、その人とつながっている数少ない人から情報を得るしかないのである。
  • または、そのような人が集まるコミュニティを活用する方法もある。これはネット上にあるコミュニティでも、そうでなくても構わない。私の場合は、そのようなコミュニティに入っていることにより、そのコミュニティ出身の有名な人とつながりを持つことができたし、その中の一人の人が主催しているプロジェクトの末席に名前を連ねて、祖語とをいただいたりしている。このようなことは、やはり一人でネットの上を漂っているだけではまず困難であったに違いないだろう。

「英語の重要さ」

  • やはりグローバルコミュニティでは英語は必要である。特に、技術があるアメリカやインドの技術者と情報交換したり、彼らの論文などを読み解く際には英語はなくてはならない道具である。日本人にとって英語は難しいというのが一般的な考えであるが、パソコンの中身はほとんど英語で書かれているのだから、IT人材にとって英語はそこまで障壁にならないはずである。